BTG『大陸西遊記』~中之島仙人による 三次元的歴史妄想記~
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雲南省 楚雄彝族自治州 元謀県 ~ 県内人口 23万人、 一人当たり GDP 25,000 元(元謀県)


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  元謀県城(三降県城、三縫県城、磨豫県城、西豫州城、靡州城、靡州府城、華竹部)
  元謀人博物館
  すぐ北に位置する 楚雄自治州 武定県環州郷(明末の古城塞跡、清代の彝文崖刻遺跡など)



昆明市 中心部(五華区)から、西北部バスターミナル(同じく五華区内)まで ①番路線バス(2元)で移動する。

このバス・ターミナルから 40~50分に一本、元謀行の郊外バスが運行されている(運行時間 8:00~17:00)。45元。片道 3時間はかかる長距離ルートである

元謀県

上地図の通り、元謀中心客運バスターミナルは、古城地区の西隣に立地しており、古城散策には非常に便利なロケーションだった。

現地には、元謀人博物館という、約 170万年前に生息していたという原始人関連の施設はあっても(1965年5月1日、現在の元謀県上那蚌村で原始人の歯が発見された)、地元史に関する郷土博物館はないので、とりあえず、古城地区を見学するだけとなる
城壁や城門は完全に撤去済みで、古城遺跡自体は現存していないが、路地や地名、ショップ名には、かつての名残りが色濃く刻み込まれていた。西城村招待所、城北小学、元馬街、環城南路、北門果物店 など。


【 元謀県の 歴史 】

現在の元謀県一帯は、春秋戦国時代、古滇国の版図下に組み込まれ、秦朝、前後漢時代には益州郡下で三降県が開設されていた(後漢時代に三縫県へ変更)。県城は今の元謀県下でどの場所にあったのか明確になっていない。
三国時代の 225年、諸葛孔明が南蛮遠征を決行し、雲南省一帯を再平定すると、益州雲南郡下の三縫県として継承される。下地図。

元謀県

西晋朝時代から南北朝時代にかけて、三縫県は寧州雲南郡に属した。
南北朝時代の後期、西魏朝が南下し四川省、雲南省方面へ勢力を拡大すると、続く北周朝により雲南省東部に 南寧州(州都は 味県城【今の 曲靖市麒麟区三岔】)が新設される。
この北周朝から権力禅譲を受けて隋朝が建国されると、引き続き、南寧州総管府が継承されるも、間もなく地場の部族集団との抗争が激化し、隋朝は雲南地方の統治を放棄することとなる。

唐代初期の 624年、三縫県が磨豫県へ改称され、新設された西豫州の州都を兼ねることとなる(629年に西豫州は靡州へ改名)。磨豫県と七部県の 2県のみを統括した。
靡州城(磨豫県)は当初、靡州都督府を兼務し、配下に 靡州、望州(今の 楚雄、広通)、移羅州(今の 禄豊県の北部)の 3州を統括した。その他、大小勃弄、蜻蛉、弄棟(今の 雲南省 楚雄州姚安県)などの地を監督した。

664年、弄棟城(今の 雲南省 楚雄州姚安県)内に姚州都督府が新設されると、靡州都督府はその存在意義を失い、廃止される。

元謀県

南詔国の知世下、今の元謀県一帯は 弄棟節度(首府は弄棟城【今の 雲南省 楚雄州姚安県】)に統括された。上地図。
続く大理国の治世時代、元謀県エリアには華竹部と 環州(今の 楚雄彝族自治州 武定県環州郷)という二大集落地が存在していた(威楚府に帰属)。下地図。

元謀県

元代の 1289年、今の元謀県一帯の 部族長・広哀は金馬山の 集落拠点「牟州」(現在の 楚雄彝族自治州 牟定県金馬山)を本拠地としていたが、相当な山里で交通に不便だったため、北部の 集落拠点「華竹部(今の 元謀県中心部)」が元謀県へと昇格される。以降、一帯の五郷を統括した(武定路軍民府下の和曲州に帰属)。

なお、この「元謀」の地名であるが、この山岳地帯に割拠した傣族の 言葉(傣語)で、「元」=俊敏に駆け抜ける、「謀」=馬、を意味したことから、あわせて駿馬という意味が込められていたという。
この傣族らは古くから山麓の平原地帯に馬を放牧し、駿馬を育成することが達者であったことに由来するという。

明代も元謀県が引き継がれ、武定府(1382年、武定軍民府に改編)に帰属する(下地図)。

元謀県

清代初期も明代の行政区がそのまま踏襲され、武定軍民府(1765年に武定府へ改編)下で元謀県が継承された。
1781年、元謀県下の六哨が六郷へ改編され、清溪郷、南号郷、烏山郷、猛令郷、太平郷、常山郷となる。
これに伴い、もともと設置されていた下部行政区が「五馬(元代までは五甸と通称)」(白木禾馬、嗽其古馬、月法東馬、阿納勒馬、普文馬)へ改編される。

1878年、元謀県署(県役所)が現在の 旧市街地(馬街)へ移転されてくる。


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