BTG『大陸西遊記』~中之島仙人による 三次元的歴史妄想記~
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訪問日:2015年 5月中旬 『大陸西遊記』~


甘粛省 天水市 秦安県 ~ 県内人口 63万人、一人当たり GDP 14,500 元(天水市 全体)


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  秦安鎮城(成紀県城、秦州城)
  秦安県の 歴史
  興国寺(興谷寺)
  泰山廟(元代に 創建)
  略陽県城(街泉県城)と 街亭の古戦場
  隴城鎮城
  略陽道古城(五営郷蔡河村の 西側)
  顯親古城(蓮花鎮の 東北側)
  成紀古城(叶堡郷陽兀川の 金城里)
  興国古城
  勇士古城(興国鎮蔡家店村と 周家堡村との間)
  郭嘉古城(郭家鎮)
  蓮花古城(蓮花鎮西街)



秦安鎮城(成紀県城、秦州城)

秦安県

北宋末期から金朝初期のころ、初めてこの地に成紀県城が新設される。それまでは、近隣の 街泉県(今の 天水市 秦安県隴城鎮)と 成紀県(今の 天水市秦安県叶堡鎮)、略陽道(今の 天水市秦安県五営郷蔡河村)の管轄下に組み込まれた一宿場町に過ぎなかったようである。

しかし、南宋時代に入って、 モンゴル軍の侵攻を受け荒廃した 上邽城(今の 天水市秦州区の南岸) が放棄され、 その秦州と天水郡の 2役所が 成紀県城(今の 天水市秦安県)へ移転されてくる。 以後、元朝の時代を通じて、成紀県城が秦州の州都として君臨することとなったわけであるが、 明代に入って秦州役所が再び、今の天水市 中心部(秦州区の北岸に新たに築城された)に新設された 【ニ代目】上邽城 へ再移転されるに及び、 成紀県城は廃城となっている。

しかし、 周囲には大家湾遺跡のように 8000年前の古代集落跡が多数発掘されており、この山岳地域では早くから人類の生息があったようである。
特に 漢代以降、西域とのシルクロードが開拓されると、その交易ルート上に位置したことから、多くの人々がこの地を訪れ、さまざまな文物が伝えられたという。これらの発掘品は 秦安県博物館内(下写真)に展示されていた。

清水県 清水県

なお、この秦安県博物館であるが、元代に創建されたという 興国寺(興谷寺)の社殿が利用されていた(上写真)。特に、寺院内の庭園側にある社殿の屋根組み部分は見応えがある。すばらしい装飾であった(下写真)。

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博物館内には、唐代、漢代の墳墓から発掘された埋葬品なども展示されている。 解説板によれば、社会が安定した漢代には、その個人が生前に利用していた生活用品も同時に埋葬される習慣が確立されたという。 こうした生活習慣が三国時代にも続いており、 2009年12月に発掘された曹操墓からは、曹操が生前に使用した固い石枕が発見されたということである (曹操はもともと相当な頭痛持ちだったという)。おそらく曹操の遺体は、生前の就寝時と同様に、石枕に頭部を置いた状態で安置されたことであろう。

さてさて、秦安県城跡 であるが、今日、城壁や城門など全くその遺構は残されていない。 しかし、今に残る路地名や地名にはしっかりかつての記憶が刻み込まれていた。 環城西路、環城路、南小河路、南関村、賢門路 など。

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また、古城地区内の馬飲街にはまだまだ古い家屋がたくさん残されていた(下写真)。

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一方で進む真新しいマンション建設を傍目に、一人の老婆が旧市街の路地裏で縫物をしていた姿が印象的だった。彼女が子供のころ、まだ古城跡の残骸があったに違いない。

秦安県

古城内で目にした、道路のど真ん中に立つ 大樹(下写真左)。きっと住民らの要望で切り倒されなかったのだろう。こういう土着愛の精神を筆者は尊敬する。
しかし、やはり時代の趨勢には逆らえず、主に土で作られている旧家屋は放棄され、コンクリート製の家々が増えているのはどの都市も変わらない(下写真右)。古城時代の北側城壁エリア。

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なお、秦安県のシンボルは、何といっても、東の小山にそびえたつ風山景区の泰山廟である(下写真)。 元代に当地で 成紀県城(秦州の州都)が設置された当時に創建されたものという。泰山廟の観覧には入山料がかかる。

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風山景区から古城地区を臨む。

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この麓は、門前町となっており、明清時代の古い街並みを再現したエリアとなっている。上写真の中央部にある一列の通り。
下写真はこの門前町の様子。このまま進めば、古城エリアの中心地区につながっている。

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なお、風山景区(泰山廟)の周囲は、古い土壁の旧家がたくさん残されていた(下写真)。 というより、現役で使用され、今でも多くの人々の生活の一部であった。

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  交通アクセス

麦積区 にある天水鉄道駅の駅舎広場に、天水市の 東・北方面へ向かうローカルバス発着所がある。 ここは乗客がいっぱいになったら自動的に出発する乗合形式で、 ドライバーなどが盛んに客引きしていた。ここで秦安県行きのバスに乗る。30元。 だいたい 1時間半で到着。



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