BTG『大陸西遊記』~中之島仙人による 三次元的歴史妄想記~
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訪問日:2015年 10月下旬 『大陸西遊記』~


浙江省 舟山市 普陀区 ~ 区内人口 115万人、 一人当たり GDP 40,000 元(舟山市 全体)


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  沈家門地区の 市街地 (明代に対倭寇に備え、沈家門寨の要塞設置)
  沈家門と 対岸の魯濱峙島との間の海底!歩行者用地下道
  漁港ならではの 命名センス!漁多多投資コンサルティング有限公司!!
  普陀島への 道【慈航広場(後門頭)】
  朱家尖島 と 観音大橋



【 沈家門地区の 市街地 】

普陀区

舟山市 の古城エリアである 定海地区 から、島の東側の沈家門地区まで、複数の路線バスが結ぶが、一番、速くて本数が多いのが快速 21番バスである(3元)。

この 21番路線バスの終点は、沈家門地区の繁華街である(濱港路)。ここは夏場はさわやかなリゾート地の拠点となりそうな場所で、たくさんのホテルが海沿いに軒を連ねていた。

普陀区

なお、この地区が沈家門の旧市街地にあたり、対倭寇戦では明朝廷により沈家門寨が開設されて、島東部の防衛の要とされた地点である(しかし、間もなく舟山諸島すべてが 倭寇に占領され、倭寇の前線拠点として利用されることとなる)。上写真は、かつての沈家門の旧市街一帯。
現在でも、その旧市街の名残として、東街、西街などの路地名が存在していた。なお現在、ここには KFCも進出していた。

普陀区 普陀区

この海沿い(沈家門港)には、大船団が所狭しと並べられており、これらの一部が日本近海までやってきて荒漁しているわけである(下写真左)。

普陀区 普陀区

また、対岸に見える魯濱峙村の小島と、沈家門の 中心地区(旧市街地)の濱港路は、歩行者用の地下道で往来できるようになっていた(上写真右)。わざわざ島側の住民の便宜を図るべく、ここまで手を加えた政府の公共投資にはさすがに脱帽だ。合計 2本の地下道が開通されていた(2015年10月現在)。

向かいの魯濱峙村の小島へは路線バスでも渡れる。その場合、西側の大橋が使われている。ここは徒歩でも上がれるので、舟山国際水産城交易センターの下から階段を使ってみた。この陸橋から見る海峡一帯は圧巻である(下写真)。

普陀区

橋を降りて、市街地側へ戻る。
パン屋、洋食屋、海鮮屋、メン屋、焼肉屋 などが軒を連ねる、おしゃれなストリートといった趣の 興建街(堂々と「置き屋」まで数軒、路面店で営業していた)を西進すること 10分、漁市大街との交差点に至る。この一帯は 海鮮屋台(中国語:排挡)レストラン街となっている。夏場は路上にたくさんの机やイスを並べて屋台ストリートと化すのであろう(下写真左)。
ちょうど、舟山国際水産城交易センター(下写真右)前にあり、その門前町といった風情である。

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この交易センターであるが、所謂、海産物卸売市場だ(上写真右)。ガラス張りで、 IT系企業の本社ビルみたいなきれいな様相であるが、実際のところ、上のフロアーまで使用されているのか、はなはだ怪しい限りだ。この 1F部分の卸売市場から発せられる強烈なにおいが、半径 2 kmぐらいの沈家門店地区の市街地を覆いまくっていた。魚介類の死骸の匂いだ。

このピカピカのビルと海産物卸売市場を観光地化しようという試みからか、中国語、英語、韓国語、日本語表記の案内板が掲示されていた。中国でもベスト 20に入る水揚量を誇る 漁港・卸売市場で、そのうちの 30%が海外輸出されているという。
この卸売市場の眼前の通りに、「漁多多投資コンサルティング」という名前の会社事務所を発見した。漁港ならではの命名センスに、思わずシャッターを切ってしまった(下写真左)。

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交易センターの西隣は、沈家門フェリー乗り場である(上写真右)。ここから 桃花島、六横島、元山島、普陀島 などへ渡航できる(下写真)。

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筆者の投宿した錦江之星ホテルの裏側にある接待禅寺の全景を見る(下写真左)。山裾にそびえる巨大な建造物だ。もともとは明代の 1465年に、西隣の天打岩の西側斜面に建設されていたもので、 中華民国時代の 1930年に山賊らの襲撃に遭い、現在の天打山の山裾へ移転されたものという。

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当地では、興建路と船広路との交差点付近にある「華之友スーパー」内に入る洋食レストランと、隣の焼肉 食べ放題(69元。ビール等も飲み放題)で食事をした(上写真右)。
この目の前の交差点で、道のど真ん中に保護されている二本の樹を見つけた。この保存精神はすばらしい。


  交通アクセス(寧坡市南バスターミナル ~)

寧坡 鉄道駅の西隣にある 寧坡市南バスターミナル(汽車南駅)から、舟山市 行きのバスに乗車する。
だいたい 20分に一本ある(50元)。かなり高級な 観光バス・タイプの長距離バスである。

中国では珍しく、チケットに印字されている座席番号通りの着席を求められ、皆等しくチケット番号ごとに着席していた。
バスの乗車職員も二人おり、荷物の出し入れなどを手助けする要員が乗り合わせていた。舟山市は、中国でも屈指の観光地だけあり、きちんとした管理を心がけている様子が伺えた。
きれいに整備された立橋を渡って、バスは舟山諸島へ向かう。だいたい橋を渡り切るのに、 15分ぐらいかかる。寧波市内を出発してから 50分ほどで舟山諸島の本島に入る。

ここから、30分強かけて本島の中心都市:定海市 までバスは進む。竹山トンネルから定海地区の バスターミナル(舟山中央バスターミナル)を経由し、さらに新城公共バス 総合ターミナル(舟山緑城シェラトンホテルがあった)と続き、そして最後に沈家門地区の バスターミナル(舟山普陀長途客運センター)に到着した(寧波市内からの所要時間:2時間強)。
沈家門地区バスターミナルは最近、新しく建設されたようで、周囲には何もない 道路(定沈線=興普大道)沿いにある。当然のごとく、この不便さを知る地元のタクシーやシロタク業者らがタムロして降車客らを勧誘していく。
筆者は、20元で沈家門地区にある ホテル・チェーン系の 錦江之星(舟山普陀沈家門店)へ移動した。ホテル室内の案内板には、日本語も所々に記載されており、当地を訪れる日本人が選ぶ、お手頃価格の代表格的ホテルなんだろうな、と感じた。

なお、沈家門バスターミナルを下車した際、バス会社事務所内にホテル予約や観光案内を兼ねたデスクがあったので、そこで舟山市の地図を購入した(4元)。
当方の中国語を聞いて、「日本人ですか??」と聞かれたので、「ああ、この船山市沈家門地区にも日本人が結構、来るんだな」と思った矢先だった。

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 定海バスターミナル(舟山中央バスターミナル) ⇔ 寧坡市 南バスターミナル (所要時間 75分 44元)

 沈家門地区バスターミナル(舟山普陀長途客運センター) ⇔ 慈溪市(寧坡市の西部)バスターミナル
                                          (3時間強 64元)




普陀島への道

普陀区

沈家門地区の東西のメインストリートである興建路沿いから、路線バス ③番に乗車する(2元)。

このまま東進し、半升洞フェリー乗り場を通過して、海州路沿いに普陀区の新開発エリアに至る(下写真)。

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そのまま街中を経由して、観音大橋(朱家尖海峡大橋)を渡る(下写真左)。その先が、舟山空港がある朱家尖地区である。
この島の海岸線は塩田となっている(下写真右)。

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そして、③番バスの終点(沈家門地区からは 30分弱の乗車)が、慈航広場(後門頭)という普陀山島行きの 専用フェリーターミナルであった。舟山空港を含めた到着客らを乗せた、多くの観光バスが頻繁に乗り着けては、乗客たちをフェリー乗り場へと吐き出していっていた。

普陀区 普陀区

また一大観光地のおひざ元だけあって、たくさんの土産物屋や食事処が出店していた。スターバックスもあった。

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さらに驚かされたのは、観光バス停留所の後方に広がる臨時駐車場である。広大な空き地が自動車を待っている状態であった。夏の ハイ・シーズンは大変なことになっているはずだ。上写真。

普陀区

当地に来て、発見したことだが、どうやら 定海地区 バスターミナル(舟山中央バスターミナル)前のバス停から直通でここまで往復できるらしい。路線バス 27番(3元)。舟山市 内を東西に移動するのに、最高に便利な路線だと思う。

普陀区

さて毎年、非常に多くの中国人らが訪問する普陀山島であるが、ここは中国の四大仏教名山の一つに数えられている。その由来は、唐代後期の 863年に、遣唐使に随行して留学していた日本の 仏僧・慧鍔大師が、修行先の五台山から頂戴した観音像を日本へ持ち帰ろうとした際、嵐の直撃を受け、度々、渡航に失敗する。人々は口々に、「観音様が東の海を渡ることを拒否している」と囁くようになり、これを受けて島の潮音洞に返納したことから、地元で信仰を集めるようになったという。


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