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訪問日:2015年 5月中旬 『大陸西遊記』~
隴西省 宝鶏市 陳倉区 ~ 区内人口 62万人、一人当たり GDP 27,000 元
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虢県城(虢鎮城)
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古城エリア東門付近にギリギリ残る 関帝廟
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宝鶏市陳倉区の 歴史
【
虢県城(虢鎮城)
】
宝鶏市
鉄道駅前のバスターミナルから発車する ⑮番バスの終点地域一帯に、かつて 虢県城(虢鎮城)があった。バス停名としても、虢鎮西門と虢鎮東門がある。
宝鶏市街地から入る路線バスは、西門側から入り、東門へと通過する過程で、大きくアップダウンがある。ちょうど、その一帯が古城跡であったろうと推察される。
下の写真は、西門跡周辺の現在の様子。
特に、古城地区の南側は急な坂道で、渭河まで下れるようになっている(下写真左)。太古には高台の絶壁か、急斜面があったに違いない。下写真右は、南堡村一帯のもの。
古城地区の地形から判断すると、南側は渭河まで急坂であり、北側は大地の延長で平地となっていることから、もともとは台地部分のやや出っ張ったところに城郭が築城されていた様子である。
なお、今日現在、すべての城壁や城門は撤去されてしまっている。しかし、旧城内の路地名にはかつての古城時代の記憶がしっかり刻み込まれていた。
北大街
、南大街、東大街、西大街、西関南街、西関北街、鉄牛廟、南環路、城南市場、水巷路、南巷などなど、多く名残が偲ばれた。
また、上写真にある「虢鎮関帝廟」はもう住宅と一体となるぐらいに面積を削られていたが、とりあえず、地元政府による遺跡保存対象となっているようであった。東門付近にある。
古城を囲む東西南北には、堡村の地名が残る。上写真左は、東堡村地区の 様子(『東堡村衛生室』の表示あり)。
また、上写真右は北側にある 市民公園(区青少年活動中心)のもの。何やらミニチュア公園の様相であった。中央通りや庭園、石像などが配置されており、欧州の巨大庭園の風情であるが、それら全てがミニチュア化されて、巨人である市民らがそこに分け入っているという印象をぬぐえない。
それにしても、中国を旅して、つくづく痛感するのは、このような地方都市の、さらにその一地区にも、10代、20代の若い男女がたくさんいて、街中を活気づかせていることである。彼らの人生はここで生まれて、ここで成長し、家族を作って、ここで人生を終わっていくのであろう。中国は特にこの地方完結型の人生パターンが多い気がする。
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交通アクセス
宝鶏
鉄道駅前のバスターミナル、もしくは 駅前通り(経路)より、⑮番バスに乗車し、陳倉区の 中心街(バス終点付近)へ一本で行ける。所要時間は 1時間15分。運賃 2元。5分に一本の割合で運行されている。
なお、15K バスは 3元で快速タイプ(所要時間 45分)。10分弱の間隔で運行。
【
宝鶏市陳倉区の 歴史
】
本稿では、虢県城(虢鎮城)の歴史的背景について、少し触れてみたい。
春秋時代の紀元前687年、
雍城(今の 鳳翔県の旧市街地)
に王都を構えていた秦国の武公により、西虢国が滅ぼされ、今の 虢鎮(陳倉区の旧市街地)に虢県が設置される。戦国時代期、西域進出の橋頭保として、より西側に
陳倉城
が築城される。
後漢時代に入り、虢県は廃止され、その行政区が雍県へ吸収合併される。このとき、虢鎮へと降格されたものと考えられる。
三国時代期にも、鎮レベルの集落が残存していたと考えられる。
南北朝時代の北魏朝の治世下の 437年、旧虢県城跡が修築され、虢県が再設置される(538~607年の一時期、洛邑県へ改名された)。
唐代の757年、西隣の
陳倉県(留谷城)
内に県役所があった。旧陳倉城は隋代の 614年にすでに廃城)が宝鶏県へ改名される(上地図は唐代の様子)。
唐代末期の 888年、鳳翔節度使であった李昌符の反乱を鎮めた李茂貞はその後任に任じられ、荒廃した管轄区の復興に尽力する。そのまま徐々に勢力を拡大した李茂貞は関中一帯の支配権をも手に入れ、ついに 901年、唐皇帝の昭宗を脅迫して、自身の根拠地である
鳳翔城
に遷都させるに至る。しかし、強大化する李茂貞に反発する他の節度使らが連合し、朱全忠や李克用らを筆頭に李茂貞の勢力圏へ大軍が進められた。
そして、この虢県城一帯で大激戦が行われ、李茂貞は大敗し、落ち延びた
鳳翔城
まで包囲されるに至る。結局、孤立無援となった李茂貞は皇帝の昭宗を朱全忠らに引き渡し降伏する(上地図)。
時は下って、元代の 1264年、虢県は虢鎮へ再降格され、宝鶏県下に組み込まれる。以後、現代に至るまで宝鶏市下に帰属された。
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